生理がある年齢の女性ならば誰しもが経験する「生理痛」ですが、いつもの生理痛だからと放っておいたままでいると、実は別の病気が隠れていたというケースもあるので油断は禁物です。子宮内膜症や骨盤内腹膜炎では、生理以外でも慢性的な腹痛、腰痛があります。ほかにも、子宮筋腫、卵巣の腫瘍、子宮外妊娠などが原因で下腹部痛が起こることがあります。
婦人科の病気以外にも、膀胱炎や虫垂炎など、腹痛や不快感を引き起こす病気もいくつかあるので、生理痛だからと我慢しないで、気になる症状は婦人科で相談しましょう。
経血量が140mLより多い「過多月経」などが原因で貧血を起こす女性は少なくありません。特に思春期の女子は体の発育に際して大量の鉄分を必要としているため、鉄欠乏性貧血になることもあります。貧血になると、ちょっとしたことで疲れやすくなったり、息切れ、頻脈、たちくらみなどの症状が出てきますが、貧血は進行がゆっくりなため、自覚症状に乏しいこともあります。
また生理時には経血の色にも気をつける必要があります。経血は血液が主成分ですので、色は赤く、時間を経て血液中の鉄分が酸化すると茶色くなります。経血が多いときは、酸化される時間もなく赤いまま排出されますが、少ないときには時間をかけて排出されるまでに酸化して、茶褐色になります。このような症状は経血量が20mLより少ない「過少月経」の時にみられます。
生理以外の時に膣や子宮から出血があることを「不正出血」といいます。子宮のびらん(ただれ)、子宮がん、膣炎などの病気が原因となっている場合と、排卵期出血など、特に病気でない場合とがあります。排卵期出血とは、排卵の頃に見られる茶褐色、あるいは粘液が混じった赤い微量のオリモノを指しています。排卵期出血は生理的なものですので、特に心配いりません。